SADHANA FOREST INTERVIEW

南インドのオーロビルにある森林再生プロジェクトコミュニティー
サダナフォレスト』 アヴィラムさん インタビュー_DSC0732-001
現地の少年たちと話すアヴィラムさん(写真右)

・継続可能な社会(生活)を目指すには、どのようなことから始められるか

まず初めに出来ることは、もっと身の回りの資源に意識を向けること。
普段みんなはどんな資源を使っているか知ってるかな?
食物、水、電気、ガス、ガソリンそれから、鉄などの金属、木材、紙、ガラス、布、石油製品等、本当に色んな資源が身の回りにあるよね。
その資源をどのくらい使っているか知っているだろうか?
そしてその資源はどこからどのようなプロセスを経て僕らの元へ来ているのか・・・?
そんな質問をされた時に答えられない。これが今の皆の現状であって問題なんだよね。

もし皆が普段使っている資源にもっと意識を向けて、知識を得て、少しずつ行動を変えていけば、環境は良くなるだろね。

友達を何人か集めて、資源について話してみよう。
「一日に電気を何キロワット(何円)、水を何リットル使ってるか知ってる?」という風に話してみる。
そして答えを一緒に確認してみる。電気の使用量も水の使用量も月々の領収書を見たら一目で分かるね。
そしたら、次にその電気がどのように作られているのかを調べてみる。
火力発電かもしれないし、原子力発電で作られた電気なのかもしれない、分かったら発電所の見学をしに行ってもいいね。
その現場を実際に見てみて、自分がそれを気に入るか気に入らないかで、それが行動を変えるきっかけになるかもしれない。

僕の住んでいるサダナフォレストでの電源はソーラーパネルを使っている。
水は地下水を使っていて、一人当たり一日に50リットルくらいの水を使って生活している。
具体的な数値を目にすると、もう少し節水できそうな気がしてくるでしょう。
(日本では一日に一人当たり平均296リットル使っている。〈国土交通省水資源部平成21年度〉

(地球上の水の97.5パーセントは海水で、2.49パーセントは氷河や氷・地下水。残りの0.01パーセントが僕らが使える水。)

多くの人が「環境へは配慮したいけど、自分の生活スタイルを変えたくないし、変える意味が分からない。」と言う。
そんな人はサダナフォレストの様な生活様式で暮らしている所へ行ってみて欲しい。
なぜならサダナフォレストでは、水は一日に50リットル、電気は数ワットだけ、炊事は薪を使用し、必要最低限の生活をしているんだけど、インフラの整った日本の生活と同じくらい、もしくはそれ以上にみんなが楽しく幸せに暮らしているんだ。
知らされて、気付いて、知識を得た時に、人は「これなら自分にも出来る。自分の行動を変えることが出来るぞ!」と言えるんだ。

やっぱり無関心って言うのが一番良くないよね。
大切なのは僕たちが生活する上で様々な活動が自然環境にどのような影響を与えているか知って、気付くこと。
自分で気付けたときにだけ、人は行動を変えることが出来るんだ。

変わっていくことは、あなたが意識を向けている時にだけ可能。
現代の人は、お酒に酔ったような状態で、自分達がどのような影響を与えながら生活しているのか意識出来ていない。
それを意識していかないと、この先変わっていくことは難しいね。

一度、行動を変えるには様々な方法があると認識すると、人は行動を変えることが出来る。
水や電気の使用量を減らすことも出来るし、ビーガン(純菜食主義者)になることも出来る。

自分の周りで何が起きているのか、食物、植物、水、電気、身の回りの動物達、環境問題、この惑星で何が起きているのか、もっともっと興味を持って、知識を増し、それを行動に移そう。

・アヴィラムさんがビーガン(純菜食主義者)になったいきさつ

僕が食事をすることで、他の動物達を傷つける事は出来ないと感じたんだ。
僕が食事を楽しむ事によって、他の誰かが死んでいく。これはおかしいのではないかと思ったんだ。
それに肉を食べるのは自然環境にすごく悪い影響を与える。
家畜の飼料を確保するため、アマゾンなどの世界各地の原生林が伐採され、燃やされ、飼料用の畑や牧場にされているんだ。
それで僕は、15年前にまずベジタリアン(菜食主義者)になったんだ。
それから1年が過ぎた頃、私は牛乳を飲むことも、肉を食べることと同じことなのではないかと思って・・・。

乳の出さなくなった牛は殺されて、食肉にされているし、小さな雄牛も殺され、食肉にされる。
僕が牛乳を買うことで牛乳業者を支持するになり、それは牛を殺すのを支持すのと同じことになると思う。
それでは僕がベジタリアンでいる意味を果たせていないと思って、僕はビーガンになったんだ。もちろん、環境への影響も考えたよ。
僕はビーガンでいることにとても満足してるし、本当に幸せだよ。
僕が食事をすることで、他の動物達を傷つけることはないし、森林破壊にも加担しなくていいからね。

僕は動物を殺している企業から物は買わない。
お金はオーガニックの美味しい野菜を買うのに使うんだ。
お金は自分のエネルギーの代替物だからね。
もしお金を間違った事を支持するのに使っているならば、それはエネルギーの無駄使いになる。
僕は牛や豚を殺してお金を得ている企業により、有機農家が育ててる美味しい野菜にお金を使うよ。

・食生活の世の中へ影響

人間は家畜を殖やし過ぎてしまった。
殖やし過ぎた家畜で、現代の生態系のピラミッドはとてもアンバランス。
人間の動物への過剰な依存は過ちだと思う。
世間では世界食糧難って言ってるけど、それは真実ではない。
本当は世界に食糧は余るほどあるんだけど、食糧難の理由のひとつがその食糧を人間が食べるんじゃなくて、家畜の飼料にしていること。
もし、トウモロコシ、大豆などの飼料を牛や豚に与えずに人間が食べたら、100億人分の食糧は簡単に確保出来ると思う。
家畜を太らせて、しもふりの肉を沢山を食べたいと思う人達が、食べ物がなくて困っている人達の原因になっているんだ。

人間は偏った食文化によって地球を破壊している。
肉食はエネルギーの浪費にもつながる。家畜用の飼料を栽培して、その飼料を家畜に与え、加工する。そのことでプロセスが増えエネルギーが消費される。
もしビーガン(極菜食主義者)になったら、地球への負担をたくさん軽減出来るだろうね。

食品が食卓に並ぶまでのプロセスを考えてみよう。

今僕たちは、食品が食卓に並ぶまでに平均で10カロリーのエネルギーを消費して、1カロリーのエネルギーを得ている。
食品の製造プロセスでは、食物から得られるエネルギーよりも、ものすごく多くのエネルギーを消費している。
この矛盾を可能にしているのがガソリンを使用。
食品の製造、加工、運搬などのプロセスで沢山のガソリンが使われている。
僕たちは10カロリーのガソリンを燃やして、1カロリー相当の食物を得ているんだ。

これは普通じゃないよね。

だからサダナフォレストでは加工食品を一切食べない。加工食品は製造するプロセスでものすごい量のエネルギーを無駄に使っているんだ。

例えば、ライオンが毎日10カロリー消費し、1カロリーを得るとする。すると、そのライオンは数日中に死んでしまうでしょう。
もっと分かりやすく例えると、あるライオンがシマウマの捕まえようと追いかけていました。そのライオンは一日に100カロリーのエネルギーを消費しているとする。
すると、そのライオンはシマウマを食べる事によって、100カロリーもしくは、それ以上のエネルギーを得なければならない。それが出来なければ、そのライオンは数日中に死んでしまうでしょう。

そして、人間は10カロリー消費し、1カロリーのエネルギーを得ている。
いつの日か石油が取れなくなったら、今の私たちでは食べ物を作り続けることは出来ないでしょう。
私たちは将来、どのようにして食べ物を作っていくのだろうか。


・活動をしていて大変なこと

環境活動への支援を得ることはとても難しいんだ。
多くの人が環境活動を自分の事を良く見せる為のファッションのように使いたがっている。
人はただ「私は環境活動している。」と、言いたいだけで、本当に環境保護活動に取り組んでいる人は極僅か。

今僕たちは大きなチェンジをしたいんだけど、その為に必要な支援がとても少ないのが現状なんだ。
サダナフォレストの運営や、植林するのに必要な苗や、道具を購入する為に資金が必要なんだけど、その支援を得るのは本当に難しい。
みんなはレストランやバーに行って、100ユーロ、200ユーロ平気で使うのに、環境活動を支援するとなると、そうはいかないんだよね。
世の中の人は盲目の様で、彼らの周りで何が起きているのか見ようとしていない。
ただ自分が楽しければ良くて、もっともっと物を欲しがろうとする。
他の人たちはとても苦しんでいるのに、誰も気にしない。
人は真実を聞きたくはなくて、ただ夢の国に住みたいだけなんだよね。

僕は地球の事よりも、もっと人類の事が心配なんだ。
地球は人類がいなくなっても、在り続けるだろう。
人類は今、危機に面していると思う。
今、僕たち人類が無意識のうちにしていることが心配で・・・。

世の中で起きている色んなことをもっと知って、目を覚ましていくのに今がチャンスだと僕は思うんだ。
真実に気付いてもらう時なんだ。
そうしたら、人はより良い決断を下すことが出来るだろうし、素敵な世の中になっていくんじゃないかな。
僕は世の中の人が目を覚ます助けとなれるようにこれからも頑張っていくよ。

サダナフォレストの詳細はこちらhttp://sadhanaforest.org/

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